ふぐ川柳・俳句
暖冬と言われながらもこのところは冷えてきました。
気温が下がるにしたがってふぐが食べたくなってきます。
ふぐと言えば、美味しいけれど毒が気になって一大決心をしてから食べるとか、冬の季語にもなるぐらいで季節を代表するグルメ食材ですね。
最近面白い(興味深い)サイトを発見致しました。
多分野にわたって川柳を編集されています。
ご紹介させて頂きます。
引用
あら何ともなや きのふは過て ふくと汁 芭蕉
いもが子は 鰒喰ふほどに 成にけり 蕪村
妹がりに 鰒引きさげて 月夜哉 一茶
河豚くふや 短き命 短き日 高浜虚子
敷石の ながしの井戸や 河豚洗ふ 野村喜舟
虎河豚の はだらの黄色 夢に来し 軽部烏頭子
河豚食ふや 伊万里の皿の 菊模様 水原秋桜子
てっちりと 読ませて灯り ゐるところ 阿波野青畝
沖遠し 青年が釣り 河豚鳴けり 西東三鬼
男の子 われ河豚に賭けたる 命かな 日野草城
虎河豚の どこか並びし オチョボ口 鈴木真砂女
鰒食うて 其の後雪の 降りにけり 上島鬼貫
ふぐ食うて わかるる人の 孤影かな 飯田蛇笏
河豚鍋や 愛憎の憎 煮えたぎり 西東三鬼
鰭酒 ひれざけ 身酒 みざけ
ひれ酒に すこしみだれし 女かな 小絲朴亭
鰭酒や 逢へば昔の 物語 高浜年尾
鰭酒や 遠き灯明り 近き闇 廣瀬直人
奥田白虎編:川柳歳時記(創元社、昭和58年)834
河豚 ふぐ フグ(魚介類 ぎょかいるい)
雪ちらり ふぐ提灯へ 斜に降る 津川紫吻
河豚食べる この楽しさは 何だろう 進藤すぎの
河豚の腹 すこし短気で 正直で 天野堯亘
騙された 河豚から好きに なった河豚 天羽桂三
七人の 敵とつき合う 河豚料理 奥田白虎
ふぐの味 しびれ加減を ほめて通 大和谷川街
魚屋に 芸術がある ふぐの皿 内藤凡柳
一蓮托生 二人でつつく ふぐ料理 こだま美枝子
河豚釣った 女の声が つつぬけて 寺本壮六
提灯に されて とぼけた 河豚の顔 中村孤舟
公認の 包丁で食う 河豚の味 滝内青壺
ユーモラスな 姿に秘めた 河豚の毒 本間国雄
ふぐ提灯 知らぬ他国で 灯をともし 高橋散二
ふぐ刺は 菊の花弁のように 咲き 中野つゆみ
奥田白虎編:川柳歳時記(創元社、昭和58年)743
河豚鍋 ふぐなべ フグナベ
ふぐ鍋へ 返事の重い 母を連れ 乾ふたよ
ちり鍋の 湯気へ楽しい 顔が寄る 三輪輪石
ふぐ鍋へ 今度逢う日を 考える 岡崎はるを
てっちりで 飲んだを母に 聞かされず 西口吉郎
ふぐ汁へ する遺言の 賑やかさ 川崎銀甲
ふぐ汁の 匂い雪降る 音を聞く 津川紫吻
てっちりを 食べぬと決めた 厄の年 池田勲二
ふぐ料理 明日の釣手は 明日のこと 青木三碧
毒けしの 茄子も出揃う ふぐ料理 岸田喜志三
てっちりの 味が恋しい 風になり 村上栄蔵
意思疎通 てっちり鍋の 小さすぎ 松井乙人
一生を まかせる人と 河豚料理 西島○丸
奥田白虎編:川柳歳時記(創元社、昭和58年)743
鰭酒 ひれざけ
ひれ酒の 味へ男と 風の街 大村美千子
ひれ酒で 憎まれ口を 温める 立石弦月
鰭酒で 河豚の素顔に 触れてみる 田中繁彦
ひれ酒は しのびあう人 待つ酒か 近江砂人
ひれ酒の 湯気木枯らしの 戸を叩く 川合砂洞
ひれ酒の 匂い恋しい 灯が招く 植村客遊子
川柳にするとなんともユーモラスでいい感じになります。
深刻なことも川柳にすると余裕がでてきて耐えられるかもしれませんね。
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